玄関に早くも来たり秋の使者扉開ければ金木犀の香
2022年9月のブログ記事
-
-
人知れず亡くなりし人今頃に知りてお参り国葬揺れし日
-
コンクリの打ちっぱなしに映えたるは秋のひまわり忙しき医院
-
彼岸花にまぎれぽつんと咲く花の君はサフランモドキと言う名
-
帰り来てゴルフの結果に消沈の夫をよそにぞ嬉しき景品
-
さきがけて赤く色づく曼珠沙華秋よ秋よと彼岸花道
-
お節介と思いしもつい茹で玉子スライサー使用自己流を言う
-
ランタンの南瓜と同じオレンジの灯りがぽっと心に灯る
-
早々とお節のチラシ眼福の北の恵みにわれらの軍配
-
えん餅に似て思い出す阿闍梨餅旅せし京都の懐かしきかな
-
-
病葉の蜘蛛の糸にて下がりおり野分ゆらゆら吹き返す風
-
獰猛なクマとか色々いるけれど南国しろくま恋しき暑さ
-
隣より隙間這い来る葛の蔓盛夏過ぎてもなお盛んなり
-
夕に咲く夕顔白く清らかに浮かぶ亡き人しみじみ偲ぶ
-
お月見にパンパスグラスの銀の穂の狐のしっぽのように揺れてる
-
甘き水豊かにたたえ岩のよな大きく丸い梨の豊水
-
月光のあまねく照らす十六夜を孫は撮りしとLINE送り来
-
アマゾンの段ボールまた来るたびの物にはすべて捨てる場所あり
-
レモン煮の甘薯の旨し爽やかに青空天馬空行くごとし
-
ひんやりと喉通り過ぎ初秋の水饅頭の確かなる秋
-
-
白露来てしらつゆ光る彼岸花ああ懐かしの藁葺きの屋根
-
母としてわが来し方を振り返る『レペゼン母』のラップのバトル 韻を踏み怒りを溶かすラップなり母の息子の鎮魂の歌
-
夏を告げ秋を知らせて鳴く蝉の声せず木々は野分を過ぎる
-
柔らかな施術を受けて玄関の菊の小花に癒され帰る
-
ぶり返す暑さはもはや夏でなく苔むす庭の鄙びた温泉
-
てくてくと正解のない道を行くときにはガムを噛み締めながら
-
出穂する稲の実りの確実に大型台風まえの静けさ
-
出張の夫の買い来しお土産の秋の味覚を纏うひと口